2009年11月3日火曜日

月に一度の店休日

 月に一度の店休日には、遅くまで朝寝をしてから、おもむろに街へ繰り出し、途中の宇宙軒で遅い朝食兼昼食をとるか、おいしそうな和菓子がたくさん店先に並ぶ、香林坊の老舗和菓子屋でだんごかなんかを買って、その頃はまだ、無料で入れた兼六園の中を散策しながら食べたりして、ゆっくりと通り抜け、図書館へ行くのが、楽しみだった。図書館では、おさらばしたはずの、吉本隆明やアンドレ・ジイドなどのなじみの本や新刊を夕方になるまで、静かに読んだものだ。受験生や学生が大勢静かに勉強していたのを憶えている。そして、夕方になると、図書館を後にして、今度は浅野川のほとりまで、歩いていき、河端にある、北国劇場の近くの餃子専門店で夕食をとるのが、休日の最後のきまりだった。金沢には、北国(ほっこく)とつく名の建物や店がたくさんあって、初めて目にしたときには、不思議な気がした。金沢ってそんなに北にあるところだっけ?もっと北にはたくさんの街や市や県や道があるじゃない!?北国銀行、北国新聞、北国会館、北国食堂などなど・・
 さて、その餃子専門店では、かなり厚ぼったい感じの手作りの皮でつつんだ餃子がとてもおいしく、一度食べると病み付きになるほどだった。その中でも、焼き餃子と汁餃子と白ご飯を頼むのが私のお気に入りで、それを美味しく食べ終わると、月にたった一度の休
みもまた終わるのだった。